白玉はいつもわたしの半径1メートル内にいないと泣いていたので、もちろんひとり遊びもまったくしない子でした。
何をするにもわたしといっしょにすることを好み、
「ん!ん!」(これで遊ぼ!)
「ん!ん!」(これ見よう!)
要求がとても多い子でした。
1歳半頃からトーマスにはまり、おもちゃ屋さんで初めて自分から欲しがったのが、トーマスのベーシックセットのプラレール。
一通りレールを組んで走らせる状態にしていたら、ちょっとの間ひとりでも遊んでくれるかな?
……と思っていたのですが、まぁそんな甘くないですよね~( ๑• ₃•๑)
家事を始めた途端に足下にしがみついてきて、わたしの手を引いてプラレールの所へ連れて戻し、そして、「ん!ん!」(ここに座れ)と要求。
どんなに白玉が気に入ったおもちゃでも、DVDでも、常にわたしといっしょでなければだめでした。
「ママといっしょ」
今思うと、その状態にこだわっていたのかもしれません。
足下にしがみついてくるので、身動きがとれなくなるのが本当に困りました。
「そのうち勝手にひとりで遊ぶようになるよ」と、まわりからは言われても、「そのうちっていつよ?」って思っていました。
その頃、家で白玉と二人きりでいるのも疲れて、息抜きに児童館へ行ったりもしたのですが、そこでも常にわたしの手を引いて、あっちへうろうろ、こっちへうろうろ。
機嫌よく遊んでいても、他の子どもが来るとわたしの膝の上に乗って避難態勢に入り、固まって動かなくなってしまうので、たいして息抜きにもなりませんでした。
言葉もわりと話せるようになってからは要求が増え、トーマスの仲間のパーシーをわたしの手に持たせて
「ママ、パーシー、ここ~!(ここを走らせて~)」と何かと指定してきました。
わたしも白玉と遊ぶのを楽しもうと思って、いろんな動きを試みたりすれば
「ちゃう‼ そうだない‼ 」
と、わたしの手を掴んで(こう動かせ)とまさかのクレーム!
いつもそんな感じで、何かおもちゃで遊ぶにしても、すべて白玉の指定通りにしなければクレームの嵐でした。
いっしょに遊んでいるというより、わたしは白玉の助手。むしろ、白玉の手の代わり。
たまになら良いのですが、いつもですから苦痛でしかない……。
話す言葉さえも、自分の思う通りの言葉を言ってほしくて「○○○って言って‼」と、よく指定していました。
当時は気付かなかったのですが、こうして自分の手の代わりとしてわたしを扱っていたのは、【クレーン現象】だったようです。
長い間、白玉の中でわたしという存在は白玉の一部みたいなものだったのだろうなぁ。
そうだとすれば、いつもくっついて離れたがらなかったのも理解できるような気がします。